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印刷の基礎知識

裏移りについて

裏移りの原因

「裏移り」とは、断裁時の圧力や紙のこすれなどで、印刷されたインキが接触した紙の裏面の限られた場所や部分的に付着し汚れる現象を指します。裏移りはインキの乾燥状態と関係がありますが、乾燥状態は温度や湿度、通気などの外気条件を最適化した場合でも紙質やデザインのインキ量など各印刷物の仕様によっても変わります。裏移りは下記のような仕様にて多く発生する傾向にあります。

1. 裏移りしやすい紙質があります。

紙質によってインキの乾燥性が変わります。一般的にコート系の紙は乾燥性がよい、マット系の紙は乾燥性が悪いとされております。裏移りしやすい紙は、「マットアート 220kg (コーティングなし)」などがあります。もちろんこの紙で100%裏移りが発生するわけではありません。次のような要因に気をつければ発生率を下げることができます。

2.CMYK総インキ量が250%を超えた色は乾燥性が悪くなります。

同じ外気条件で同じ紙を使ってもインキ量が250%を超えた色の場合、裏移りが発生する確率が高くなります。つまり、総インキ量が高ければ高いほど乾燥性が悪くなり、裏移りが発生しやすくなります。

3. 仕上がりの縁に色の濃いデザインをした場合も裏移りが発生しやすいです。

仕上がりの断裁線の部分に濃いフチを作成したり、強い背景色をデザイン上で活用した場合も裏移りが発生する可能性があります。

裏移りを防ぐために

印刷工程上で裏移りを防ぐために十分な注意を払っておりますが、用紙の性質上で凹凸があったり、局部的な力が加わったりするとその部分で裏移り現象が発生することがありますので裏移りを完全に防ぐことはできません。でも、下記の3つの項目に気をつけることによってある程度の予防はできます。

1. CMYKの総インキ量が250%を超える濃い色は使わないようしてください。

2. 特にフチや背景色での濃い色の活用は避けるようにしてください。

3. ご入稿時に作成データの裏移りをご心配される場合はサポートセンターまでご相談ください。